レース距離: 12.3㎞×12周回=147.6km
レースレイティング:AAAA
《出場選手》
・吉岡直哉
・下島将輝 体調不良で欠場
・岸崇仁
・西尾勇人
・柴田雅之
・新城銀二
Day-2 この日も岸がエースに指名される
西日本ロードクラシックDay-2は、前日と同じコースを倍の距離・12周する147㎞という設定。
前日のレースから体調不良を訴えていた下島選手を欠く5名での出走となりました。
この日もエースを任されたのは、岸選手。前日は思うような走りが出来なった岸選手ですが、清水監督はそれでも岸選手に重要なポジションを任せます。彼には、それだけの期待がチームからかけられています。そしてこの日、選手に責任感を与える、その采配がピタリとハマることになります。
©Nobumichi Komori/HATTRICK COMPANY
前日とは打って変わって、この日は穏やかにレースがスタートします。
1周目に地元チームのヴィクトワール広島の西川選手が飛び出すと集団はややスローダウン。横に広がりながら1周回目を終えます。
西川選手が吸収されると、レースが動き出します。各チームが代わる代わるにアタックを仕掛け、飛び出しを図ります。
強力な逃げ集団 西尾勇人の絶妙なアシスト
散発するアタックの中から、3周目の登り区間で12名の逃げ集団が形成されます。この逃げ集団にブラーゼンからは吉岡選手が入ります。
さらに、ここで絶妙な動きを見せたのが西尾選手。岸選手を後ろにつけて発射台となり、最終便で岸選手を先頭に送り込みます。
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ほとんどの有力チームを含んだ強力な逃げは、すぐにその差を30秒に拡大。協調してローテーションを回します。
この12名に複数の選手を揃えたのはシマノレーシングと宇都宮ブリッツェンとブラーゼンのみ。ブラーゼンからはエース級の2名を先頭に送り込み、最高の形でした。奇しくもこの2人は、前週の全日本選手権で落車によって大きな怪我を負った2人。驚異的な回復力を見せ、このレースにかける意気込みは相当なものでした。
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メイン集団では、何度か追走の動きがありますが、西尾選手がこれに対応。メイン集団と逃げ集団のタイム差は徐々に開いていき、およそ70㎞地点では最大4分のリードを築きます。
シマノレーシングの木村選手、現在年間ポイントリーダーのホセ・ビセンテ選手(マトリックスパワータグ)などが、メイン集団からアタックをかけますが、どれも決定的な動きにはなりません。
吉岡・岸が逃げ切りを目指す
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一時は4分から2分へと縮小したタイム差でしたが、終盤になっても2分以下には詰まらず、逃げ切りの可能性が高まります。
メイン集団では、落車の影響のある柴田選手と、前日には良い動きを見せていた新城選手が遅れており、西尾選手が孤軍奮闘します。
先頭12名が逃げ切りを意識し始める残り3周。ここで岸選手が遅れます。本調子とは言えないながらも重圧を背負い、吉岡選手と共にチームを牽引した岸選手は、レース後に倒れこむほど力を使い果たし、勝負を吉岡選手に託しました。
攻めの姿勢を貫く吉岡
残り2周を切ると、先頭集団も徐々にばらけ始め8名に。
ここからさらに吉岡選手がアタック。シマノレーシング入部選手、宇都宮ブリッツェン馬渡選手と3名で抜け出し最終周回へ。
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しかし、最終周回で再び8名にまとまり、勝負はスプリントへ。ゴールへの直線を前にした残り500m、コーナーが連続するポイントでシマノレーシングの入部選手がロングスパート。吉岡選手は、一度これを見送り、ゴール前の直線でスプリントを開始します。しかし、入部選手のスピードは衰えず、後ろから伸びる吉岡選手のスプリントをわずかに凌ぎ優勝。
吉岡選手は、惜しくも2位でゴールとなりました。
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ーリザルトー
1位 入部正太郎(シマノレーシング)
2位 吉岡直哉(那須ブラーゼン)
3位 馬渡伸弥(宇都宮ブリッツェン)
清水監督のコメント
「広島2日目は体調不良で急遽下島選手が欠場となり、昨日落車した柴田選手が出場しましたが怪我を負っているため実質4名での戦いとなりました。アシストが頑張ってくれて吉岡選手と岸選手が逃げ集団に入る理想的な展開に持ち込めました。岸選手が吉岡選手を温存し勝負する形となり、結果は2位で悔しいところはありますが、このチーム状況で最善の戦いをしてくれました。まだ、前半戦は終わってません。チームで1勝をもぎ取ります。引き続き応援宜しくお願いします」
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吉岡選手のコメント
「先週の全日本では1周目の落車に巻き込まれ、脳震盪と怪我の影響でリタイヤをし、 練習もあまりできない状態で迎えた広島でした。全日本のために練習強度もあげていたので、 調子は悪くない状態でした。2日間とも前々の展開ができて、 自分の持ち味の積極的な走りができたのは良かったですが、 やはり二位は悔しいです。次は近場でレースが続くので、しっかり勝てるように、 積極的に走りたいと思います」
次戦は7月16日Jプロツアー第9戦石川ロードレース。
チームで勝利を目指します。