レース距離:29.5㎞×5周回=147.5㎞ 29.5km×4周回=118㎞(※悪天候のため短縮)
レースレイティング:AAA
《出場選手》
・吉岡直哉
・下島将輝
・西尾勇人
・岸崇仁
・柴田雅之
※ 新城選手は故障により離脱中
公式ページ→http://www.jbcf.or.jp/races/20170916_id=14176
ライブ配信 → https://freshlive.tv/cycling/148789
フィニッシュ前の激坂が勝負所のカルストロードレース
Jプロツアーとしては初の山口県美祢市カルストロードを使ったJプロツアー第15戦。
1周29.5㎞の周回中、最も厳しいのはフィニッシュ地点への登り。距離は約2㎞程ですが、最大勾配28%・平均勾配10%超えの通称「カルストベルグ」(Berg=ドイツ語で山の意)が選手たちを苦しめます。
悪天候の影響で、レース距離は当初の周回数より1周回減って4周回=118㎞となりました。「カルストベルグ」は4回上ることになります。
©Nobumichi Komori/HATTRICK COMPANY
西尾が作戦通り先頭集団に入る
2㎞のパレードランを経て、リアルスタートとなった集団は早速ペースが上がります。
スタート前から雨が降り、路面がウェット。高速の下り区間では集団が縦に長く伸びます。各チームのアタックに乗ってまずは下島選手が飛び出しますが、しばらくして集団に吸収。代わって西尾選手が飛び出し、2周目に入るころには14名の逃げ集団が形成されます。
先頭のメンバーは、マトリックスパワータグが4名、宇都宮ブリッツェンが2名、ヴィクトワール広島が2名など、各チーム複数名選手を送り込みます。
©Nobumichi Komori/HATTRICK COMPANY
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メイン集団 個人ランキング1位と2位の攻防
メイン集団との差は1分30秒ほどで推移しますが、2回目の「カルストベルグ」で、メイン集団から現在個人ランキングトップのホセ・ビセンテ選手(マトリックスパワータグ)がアタック。このアタックに反応できたのは、唯一吉岡選手のみでしたが、しばらくしてホセ選手の鋭い加速についていくことが出来ず、頂上手前300mでその差をあけられてしまいます。結果的にこの動きが勝敗の分かれ道に…。
続く平坦とアップダウン区間でもホセ選手は勢いを保ち、また先頭集団から降りてきたアシストの向川選手の牽引もあり、1分30秒以上あった差を一気に詰めて先頭集団へのジャンプに成功。
吉岡選手はホセ選手から遅れながらもその後方で追走集団を形成し、先頭への合流を目指します。
しかし、先頭集団ではマトリックスパワータグが5名を揃え、吉岡選手のいる追走集団との差を広げるべく佐野選手らアシスト選手たちが中心となってハイペースを維持します。
©Nobumichi Komori/HATTRICK COMPANY
15名となった先頭集団では西尾選手が様子をみながら吉岡選手を待ち、後方ではやがて大きな集団とともに柴田選手が吉岡選手に追い付いて、ペースを作りますが、先頭のマトリックス勢の牽引でその差は詰まりません。
©Nobumichi Komori/HATTRICK COMPANY
勝負を西尾に託す
この時点で勝負は先頭のメンバーに絞られ、ブラーゼンは西尾選手に勝負を託します。
そこから先頭集団では更に動きがあり、いくつかのアタックを上手く見極めて西尾選手が6名で抜け出します。
メンバーは、マトリックスパワータグから佐野選手、ホセ選手、アイラン選手、さらに馬渡選手(宇都宮ブリッツェン)、白川選手(ヴィクトワール広島)。
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そのまま先頭6名で最終周回に入るかと思われましたが、3回目の「カルストベルグ」頂上手前で佐野選手がアタック。追走はマトリックス以外の3名でローテーションを回しますが、さらにアイラン選手、ホセ選手と続々アタックを仕掛け、ついに先頭はマトリックスが3名となります。
馬渡選手と白川選手と共に西尾選手が追走を続けますが、先頭のマトリックス3名はそのまま逃げ切り、最後はアイラン選手に勝利を譲る形で圧勝となりました。
西尾選手は、残り10㎞ほどで力尽き、メイン集団に飲み込まれて29位でフィニッシュ。後方のメイン集団で3番手フィニッシュとなった吉岡選手の8位が最高位となりました。
©Nobumichi Komori/HATTRICK COMPANY
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ーリザルトー
1位 アイラン・フェルナンデス(マトリックスパワータグ) 3:04’57”
2位 佐野淳哉(マトリックスパワータグ) 〃
3位 ホセ・ビセンテ(マトリックスパワータグ) 〃
8位 吉岡直哉 +2’20”
27位 柴田雅之 +4’20”
29位 西尾勇人 +7’21”
公式リザルト→http://www.jbcf.or.jp/images/2017/09/P-1.pdf
西尾選手のコメント「今日は僕個人としては最初から積極的に動き、逃げに乗るというチームのオーダーでした。逃げに乗ったはいいが、どこのチームも2人以上乗せていてピンチ。逃げの中でもいくつかのアタックがあるが、しっかりと見極めて勝ち逃げとなる6名の中に入りました。3周目完了時には思っていたより脚に疲れがきていなかったのでこれはいける!と感じながら最終周回へ。しかしその矢先ハンガーノックになり力が入らなくなりました。ごましかながら走りましたが、ゴールまで持たずに先頭から遅れ、最後は集団にも飲み込まれてそこからも遅れてゴールしました。チームカーの監督からこの逃げで勝負になるから西尾でいくと言われたのに申し訳ない気持ちでいっぱいです。応援して下さっていた方々ありがとうございました!すごく力になりました!来週にはまたレースがあるので切り替えてチームで勝ちにいきます」
吉岡選手のコメント「展開としては西尾が逃げに入り、序盤は良かったです。そこから3周目にはいる直前の登りでマトリックスのホセ選手と2人抜け出しました。 そこまでは良い展開だったものの、頂上手前300メートルあたりでアタックされ、 反応できず遅れました。今日はそこで全てが決まってしまったように思います。後続4人を待ち、そこから追いかけましたが、 後ろも少し離れていたため、時すでに遅しといった状態でした。ホセ選手に完全に力負けでした。かなり悔しい気持ちです。 とりあえずは帰って、まだ完治していない怪我を治して雪辱をはらします。まだ後半戦はじまったばかりなので」
清水監督のコメント「今日は登りで勝負が付くと思い、登りに長けている吉岡選手、柴田選手を中心にレースを組み立てました。レースが始まり西尾選手の調子が良く、逃げ集団に入り前待ちの展開を作れました。しかし2周目の激坂区間でマトリックスのホセ選手がメイン集団から単独で抜け出す動きに反応できず後手を踏む展開となりました。結果、この動きがこのレースで一番重要な場面でした。そこからメイン集団に残っている吉岡選手と柴田選手で一緒に逃げ集団を追いましたが、追い付かず西尾選手に勝負を委ねることになりました。西尾選手は孤軍奮闘で戦いましたが、先頭に選手を多数送り込んでいたマトリックスの波状攻撃に敗れました。前半戦怪我で走れていなかった西尾選手の調子が上がってきたことは良かったですが、要所要所で球数が足りていないことは否めません。5人で戦う上に吉岡選手がマークされて思うように動けない中で現状打破するのはセカンドエースの存在です。皆んなで後半戦の課題でもあり、このチームの課題を乗り越えていきたいです」
※台風18号の影響でJプロツアー第16戦 維新やまぐちクリテリウムは中止となりました。
次戦は9月23日Jプロツアー第17戦 まえばしクリテリウム となります。