東日本ロードクラシック群馬大会Day-2 – JPT第2戦 – 60.0km

1位 鈴木龍 (宇都宮ブリッツェン)
2位 大久保陣 (宇都宮ブリッツェン) st
3位 小野寺玲 (宇都宮ブリッツェン)
4位 大前翔(愛三工業レーシングチーム)
5位 横塚浩平 (TeamUKYO)
6位 岡本隼 (愛三工業レーシングチーム)
7位 畑中勇介 (TeamUKYO)
8位 レオネル・キンテロ (マトリックスパワータグ)
9位 佐藤宇志 (那須ブラーゼン) 
10位 織田聖 (弱虫ペダルサイクリングチーム)
18位 佐藤大志
27位 谷順成
61位 柴田雅之

48位 渡邊翔太郎
DNF 西尾憲人
DNF 竹村拓
DNF 下島将輝
東日本ロードクラシック群馬大会Day-2は60kmの短距離レース特有の高速な展開となり、最後はすべてのアタックを封じ込めてスプリントに持ち込んだ宇都宮ブリッツェンの隊列を先頭にフィニッシュラインを通過し、エースを託された鈴木龍(宇都宮ブリッツェン)が勝利を飾った。那須ブラーゼンは、スプリントに持ち込みたい宇都宮ブリッツェンの牙城を崩すべく、エース・谷順成が会心のアタックを敢行するが、枚数を多く残したブリッツェントレインの決死の追走に封じ込められ、惜しくも実らなかった。しかし、最後まで勝利の可能性を捨てずに真正面から勝負を挑んだチームの姿勢は高く評価されるものだ。

佐藤宇志が9位でゴール

また、加えて、中盤も高速のアタックを成功させていた佐藤宇志(たかし)が、競合ひしめくスプリントに参戦し9位でフィニッシュしている。佐藤宇志は佐藤ツインズの弟で、奇しくも前日の兄・大志と同じ着順を再現した。佐藤ツインズがJプロツアーのプロトンの中でも極めて強力な選手達であることを更に認識させる結果となった。

■ブラーゼンのオーダー
-エース-

-サブエース-
大志
宇志
-アシスト-
柴田
憲人
下島
竹村
-フリー-
渡邊

序盤からの高速な展開に備え、アシスト陣は主にポジショニングを担当。エース陣は決定的な前方への展開に参加し続けること。渡邊はアタック力を生かして独力で状況を打破すること。

これらを確認してスタートを切った。

高速な展開に備え念入りにウォーミングアップを行う

 

■序盤の展開とブラーゼンの対応
予想通り超高速な展開となったレース序盤は、憲人がブラーゼンの乗らない先行集団が構成されないようにらみを効かせる。下島、竹村は超高速な展開への対応が出来ずに後退する。

憲人の対応の後、渡邊が加わった強力な7名のアタックが先行。ブラーゼンはサブエースとエースを無傷の状態で残し、独力でもレースを展開できる渡邊に一旦レースを託すことに成功する。

強力な逃げに渡邊が加わる

 

■中盤の攻防
先行している5名をメイン集団は20~30秒程度で追走し続ける。非常に高速を維持したどの選手にとっても厳しい展開。先行5名は引き戻されそうになると、代わって3名がアタック。こちらも強力なアタックで数十秒を稼ぐ。ここにもブラーゼンから宇志がしっかりと対応し、ただ乗り遅れるだけの展開を許さず、前方へ前方へと展開する意識を構築する。

5名の逃げが吸収され、カウンターで抜け出した3名

佐藤宇志が集団からブリッジを試みる

しかし、やはりこの動きも封じ込められ引き戻されるが、このタイミングで再び渡邊を含む4名が先行。自由を与えられた渡邊は、無数の強烈なアタックで先行集団に加わった。

再度逃げに加わった渡邊

 

■終盤戦
宇都宮ブリッツェンがスプリントにシフトを変更。前方で隊列を組んで高速で牽引を開始。渡邊を含む先行集団は吸収され、レースは最終周へ。

宇都宮ブリッツェンを中心に強力に集団を牽引

ブラーゼンはスプリントをするオプションを選択せず、あくまでも谷による独走勝利の可能性に望みを託し、最終の登り区間で谷自らが渾身の先行。

谷がアタックを試みるも振り切れず

しかし、ここは宇都宮ブリッツェンが増田の強力な牽引によりキャッチアップ。スプリント体制へ。
ブリッツェントレインがきれいに並んでフィニッシュラインへ。後方では、並み居る強豪に割り込む宇志の姿が。

佐藤宇志が集団スプリントに参加し9位

前日9位だった佐藤大志は18位

渾身のアタックをするも封じ込められた谷は28位でゴール

 

■総括
ブラーゼンはスプリントに持ち込まれる展開への対応として、アシストの犠牲を払うことも辞さず、先手を打って前方にエース級の選手達を送り込む展開を選択し、見事、渡邊がその期待に応えてみせた。佐藤ツインズも終始良い動きを見せて最後は一桁フィニッシュも果たした。
最後を託された谷も勝利の可能性を最後まで捨てない素晴らしいアタックを敢行した。フィニッシュあふれ出た涙は必ず悔しさを洗い流してくれる日が来るだろう。前方で戦い続けるチームの経験値と意識を構築できた良い敗北だった。

明日は再び長距離(132km)のレースとなる。展開が幾重にも重なるため立ち回りが非常に難しいが、その分チャンスも回ってくることになる。「全選手が散ったとしてもブラーゼンはこのレースに勝ちに来ている。悔いなく全力で攻撃しよう。」が合言葉。

Text:那須ブラーゼン 若杉厚仁  Photo:那須ブラーゼン 樋口峻明