[第7回JBCF宇都宮クリテリウム – JPT第4戦 – 50.6km – ]
46位 谷順成
47位 西尾憲人
48位 柴田雅之
56位 佐藤宇志
DNF 下島将輝
DNF 佐藤大志
DNF西尾勇人
‐2020Jプロツアー 個人ランキング‐
23位 佐藤大志
2020Jプロツアー チームランキング
8位 那須ブラーゼン
リーダ―ジャージ
2位 佐藤大志
3位 佐藤宇志
‐レポート‐
JPT第4戦 公道・無観客で開催された宇都宮クリテリウムは小野寺玲(宇都宮ブリッツェン)が驚異の3連覇を達成した。那須ブラーゼンは高速レースに苦戦を強いられ、落車のトラブルも相まって渡邊翔太郎の26位が最高順位となった。
スペアバイクで悔しいフィニッシュを迎えた渡邊翔太郎
チームオーダー
クリテリウム特有の高速スプリントに備えて下島は温存するが、他の選手は前方で展開し小集団を形成することを目指した。総合力のある渡邊、谷を中心に、佐藤ツインズが前方で展開できればスプリントで勝負をしたいチームを苦しめることができると想定
直前に不調に陥ってしまった下島がスプリントのオーダーへの不安と葛藤する
前方でのポジショニングをオーダーされた柴田がチームの隊列をまとめようと奮闘した
安定した走りを続けてきた大志も今日は焦りからトラブルに見舞われた
スタート~序盤戦
レースはスタート直後から、急激なブレーキング、立ち上がりの加速が繰り返され、常に前方のポジションが激しく争われた。序盤のハイスピードな展開の中でもしっかりと前方で対応することをミーティングで確認したが、更にその数段上を行くスピードでレースが展開した。ブラーゼンの各選手は伸び縮みの激しい後方に点々と位置し、立ち上がりの度に消耗を強いられてしまう。
中盤
5名の先行集団が形成されるがブラーゼンからはメンバーを送り込むことが出来なかった。厳しいコースレイアウトの場合は前方への展開の方が集団よりも優位にレースを進められる可能性が高いが、初のコースであることやポジショニングが後方であったことから見送ることに。
メイン集団前方に宇都宮ブリッツェン、ブリヂストンサイクリングチームが結集し、レースは一旦の落ち着きをみせる。この間にブラーゼンは柴田を中心に隊列の形成と前方へのポジショニングを試みるが、位置取り争いが激しくやはり後方へ追いやられてしまう。
強力な5名の先行集団が形成された。
勝てるスプリンターを多く抱える宇都宮ブリッツェンの自信に満ちた牽引
渡邊の落車トラブルと谷の体調不良
レース中盤に渡邊がクラッシュに巻き込まれてバイク交換を余儀なくされる。同時に下島、宇志がストップしニュートラルで復帰を果たすが、隊列の最後尾からの復帰で更なる消耗を強いられる。
同じころ、エースの一角・谷が胃腸にトラブルを抱えて徐々に遅れ始める。
中盤以降胃腸のトラブルで大きく後退した谷は明日のロードレースに向けて気持ちを切り替えた。
終盤
各選手、なんとか現状のポジションを維持しながらゴールを目指すしかない状況。辛くも先頭集団に加わっていた渡邊はポジションの違うサブバイクと中切れに翻弄されて思うように力を発揮できていない。
ブラーゼンは相次いで後方に追いやられた。
ゴール
ハイスピードで伸びきった集団から息の長い伸びをみせた小野寺玲が優勝。渡邊は散り散りになった26番手でフィニッシュを切った。
総括
コーナーの多いレイアウトに対して、前方への意識を忘れないことを確認していながら1周目から後方に取り残されてしまったことが序盤戦の展開への不参加と消耗を決定付けてしまった。各チームが8名ずつの出走人数を揃えるクリテリウムは過去のどのレースよりも高速度域の速さを感じた。組織的なポジショニングと高速度域の能力に引き続き課題意識を持って取り組む必要性がある。
独力で状況を打開できる渡邊にトラブルがあったことは非常に痛く、谷の不調もあって、レース終盤を前に高順位を望むことが難しい状況となってしまった。
明日は入念な試走を行った得意コースでもある宇都宮ロードレースであり、ブラーゼンにも勝つチャンスが十分にある。組織的な連携意識を高めて、チームとして勝利を引き寄せることを目指す。
渡邊の野生の嗅覚は勝ち逃げを見分ける能力に秀でている。明日は得意なレイアウトのロードレース。
Text:若杉厚仁 Photo:樋口峻明