昔から、何がプロスポーツ選手の価値を決めるのだろうと考えます。
価値は収入とリンクしやすいので、僕の収入は社会における今の自分の価値だと常に思っています。
僕は最近、プロスポーツ選手の価値=競技力×メディア力 なのではないかと思います。
競技力は当たり前です。
ここで僕が言う「メディア力」というのは、例えばキャラクターがとても面白かったり、その時々で場にふさわしい発言が出来たり、その選手がいかに魅力的で、どれだけ「メディアで取り上げられるか」という力です。美人アスリートがメディアに取り上げられるのもそういった例です。
全日本選手権を優勝しても、メディアに取り上げられない選手と、全日本選手権最下位でもメディアに取り上げられる選手がいたとすれば、後者の方が価値があるという事になります。
なぜかというと、スポーツは人に見られて初めて職業として成り立つからです。
チーム運営の立場から、誤解を恐れずに極論を言うと、競技力なんか最低限でもよくて、人に見られさえすればよいのです。だって世界レベルでは、全く歯が立たないのに、日本で人気のある(=飯を食えている)スポーツはたくさんありますよね。
「メディア力」や「見られ方の重要性」について改めて考えたのは、ふた月ほど前にテレビで、あるスポーツを見た時からでした。
それは、あるスポーツのオリンピック選考がかかった全日本選手権でした。
優勝し、出場権を得た選手はインタビューで、自分のパフォーマンスに満足していないというネガティブな受け答えをしていました。「優勝したのにストイックだなあ!」という見方もありますが、自身の満足いかないパフォーマンスでも全日本選手権を勝ててしまう圧倒的な実力を誇示するかのような、2位以下の選手に対してあまりにも配慮がない発言だと感じました。
その後も、その選手の言動には着目するようになりましたが、どうも適切でないと感じる場面が多かったのです。
しかし、その選手もこれから多くの大会で成績を残し、インタビューを受けるたび、発言に気を遣うことが多くなると思います。競技力によってメディア力はあとから付いてくるのですが、メディア力によって競技力はなかなか付いてきません。しかし、本当に応援したくなるのはインタビュー慣れする前からメディア力を身に着けている選手だなあと思いました。
話がそれましたが、まとめます。
あるスポーツ業界が、マイナーで潤っていないとすれば、それは選手の価値が低いからです。
そしてそれは選手だけが悪いのではなく、そういった意識や仕組みを作れないチームや競技連盟もいけないのです。
決して誰かを批判しているわけではなく、そうはなりたくないという自分への戒めでもあります。
競技力なんてどうでもいいとは言いましたが、一方で結局スポーツは実力の世界でもあります。
弱いチームが何を言っても変わりません。僕は選手の競技力を高めるという点において、業界の多くの人に劣っている(というか経験がない)ので、今年はその点で大きく成長しなければなりません。
ということで、強いチームを作ります!以上!